日本オープンの石川遼選手
先日行われた男子の日本オープン。
大会最終日、石川遼選手が6番ホールのバンカーからスイングしている最中にギャラリーがカメラで石川選手を撮影し、シャッター音が鳴りスイングを中断するということがありました。
私はライブでトーナメントを見ていなかったので、はっきりしたことはわかりませんがそのようなことがあったとのことです。
石川選手は、ハニカミ王子と呼ばれ、温厚のイメージがあったので、
そのギャラリーをにらみつけたということで、メディアは大きく取り上げ、賛否両論がありました。
今回カメラで撮影した人からすると、プロゴルフのトーナメント観戦というのはエンターテイメントの1つであり、
動物園にパンダを見に行くような、1つの娯楽という感覚だったかのもしれません。もちろん悪気があったわけではなかったかもしれません。
一方で、プレーをしているプロ選手側からすると、自分の生活のため、幼いころからの夢を達成するため、目標を達成するためにゴルフ場で必死に戦っている、ゴルフファーという一人の戦士でもあります。
この1打、この1スイングによって、何十万円、何百万円、時には何千万円もが変わることがあるプレッシャーの中で戦っています。
そして試合で獲得する賞金以上に、
幼い頃からプロゴルファーになって活躍するという夢を持ち、
その夢をあきらめず持ち続け、その夢を本気で実現するために、日々努力し、技を鍛練し、
時にはその夢を達成するために何かを諦め、継続を妨害する挫折もありながらも、血を、汗を流してゴルフをし続けてきています。
彼は多くから天才と呼ばれていますが、最初からの身も心も天才なんてこの世に一人もいません。
毎週のように、日本海外の各地を転戦しながら、その合間に移動して、練習ラウンドをこなして、そしてまた練習して、
食事の管理もして、時間の管理もして、体調管理もして、心の管理もして、
その過程では、うまくいくこと、うまくいかないこともあり、時にはすぐに結果が出ず、腐り、時にはいやになり、逃げ出したくなり。
それでもあきらめず、毎週のように試合に出場して。
見ている側は18Hを4日間プレーしているだけですが、それ以外の時間にはとてつもない努力、鍛練、気持ちの葛藤があり得ないぐらいあります。
彼の笑顔の裏にはあり得ないほどの涙、悔しさがあると思います。
この日本オープンの週も、練習ラウンドを行い、その合間にパター練習をし、スイングチェックをし、メディアに対応し、
あれだけメディアや人の前に立っているわけですから、中にはいやなこと、言いたくないこと、受け入れたくないことも聞かれることもあると思います。
まして石川選手はこれだけの有名人ですから、中には良く思わない人もいれば、嫌がらせもされること、否定的なことを言われることもあるかもしれません。
その中でも、よいパフォーマンスをしたいという信念を持ち、4日間プレーし、最終日6番ホールでバンカーに入ってピンチになって、
それに立ち向かってショットしようとした時に、たまたまマナーの悪いギャラリーがいて、スイングすることができず、そのギャラりーをにらみつけました。
こんな状態の中でそのようなことがあれば、普通の人だとそのギャラリーを怒鳴りつけていてもおかしくなかったのではないでしょうか。
石川選手はいつもニコニコしていますが、その何十倍もの涙を流して、ゴルフに立ち向かい、今あの舞台に立っていると思います。
プロゴルファーはそういう辛い部分は周りにあまり見せようとしませんが。
この日本オープン最終日のラウンド後のインタビューで彼は、
「悔いのないラウンドです。すがすがしい気持ちです。」
と答えたそうです。
今回のバンカーの件も、彼にとっては、マイナスの要素ではなく、彼の中では彼を成長させる要素になってしまったんですね。
メディアはよく彼を「遼くん」と呼びます。
彼の年齢が若いので「くん」で呼ばれても仕方ないかもしれませんが、
「遼くん」と呼ぶのは少し失礼な気もします。
彼はまぎれもなく「石川遼選手」だと私は思っています。

